この世からルパン一族が消滅するまで後3日、
ウロウロするするルパンに次元が真剣な顔で 提案した。 「んなこと言ったって、おめェの見込み違いだったら どーすんだよっ」と、ルパン。 「いや、オレの目に狂いはねぇ、時間が無い、早く行けっ」 「いいか、“カワイク”だぞ、“カワイク”っ」と、次元。 五右エ門の、 「今は言い争っている場合ではなかろう」 の言葉に押されて、ルパンは摩毛をおびきだすために 教会で祈るフリをしていた。 「フ、なかなか殊勝な心がけじゃないか、ルパン」 気が付くと後ろに摩毛が立っていた。 (コンニャローめ、来やがったな) 心の中で舌打ちをしつつ、打ち合わせ通りに跪いたまま 摩毛の方へ振り向くと、 「なあ、摩毛よぉ、お前がオレの一族を滅ぼす理由は まだ生まれてもない14世がお前の子孫を殺したから なんだろう?」 「まあな」 「もし、オレが子孫を作らないとしたら、どうなる?」 「…それは考えてもみなかったが、しかし…」 「お願いだ、摩毛、オレは消えたくない、お前のいう事なら何でも聞くから、オレを消さないでくれ、頼むっ」 下からうるうる目で見上げるルパン。 しばらくその目に釘付けになっていた摩毛の冷たい 指がルパンの頬に触れた。 「立て」 そういうと、どこかの伯爵の如くマントを広げ、 「一緒に来るんだ。ナニ、退屈はさせんよ」 とルパンを引き寄せささやいた。 その瞬間、金属を切り裂く甲高い音が辺りに響き渡った。 まっぷたつになったタイムマシンを呆然と見やる摩毛。 五右エ門と次元が共にタイムマシンを見る間にただの金属ゴミへと変えていった。 かくしてルパンは摩毛の魔の手から救われたのである。 チャンチャン♪ |